自殺してはいけません

いじめに対する抗議とも受け取れるようなこどもたちの自殺が相次いでいます。
こどもたちだけではなく、いじめ問題の対応に苦慮した校長先生までもが自殺しています。
高校の単位未履修問題でも悩んだ校長先生が自殺してしまいました。
しかし、よ〜く考えてみるべきです。
自殺したらどうなるのかということを、です。
先日、ある患者さんがうつ状態になって相談に来ました。その理由は職場の上司の自殺でした。自殺の原因とその患者さんは全く無関係ですし、上司と特に親しかったわけでもありません。それでも、身近な人が自殺するということは、強烈なショックを与えるのです。ましてや、自殺した人のご家族はどんなにつらいことでしょう。学校や職場の人たちも、生涯忘れられないようなつらい思いをします。
いじめを苦にして自殺した子供たちはさぞつらかったに違いありませんが、遺書などに名指しされたいじめた側のこどもたちは最大にして最悪な仕返しをされたようなものです。過ちに気づいて謝ろうとしても、取り返しがつかないのですから、ただただ悲嘆にくれるほかはありません。
このように、ひとりの人が自殺すると、実に多くの人たちの心を深く傷つけます。
死んではいけないのです。
自殺は罪深いことであり悪であると、敢えてはっきりと言わせていただきます。
自殺するくらいの度胸があるのなら、是非、心と体を鍛えてください。

松井選手からのメッセージに感銘を受けましたので、下記に転載します。
≪産経新聞に寄せられたメッセージ全文≫ 
次々と子供たちが自らの手で命を絶つことには、僕も我慢がなりません。
いろいろな理由があるにせよ、いじめをしている人、いじめで悩んでいる人には、もう一度じっくり考えてほしい。 
あなたの周りには、あなたを心底愛している人がたくさんいるということを。それは家族であり、親戚(しんせき)であり、友人であり、先輩であり、後輩であり、時にはペットであるかもしれません。 
人間は一人ではない。いや一人では生きてはいけないのです。
だから、そういう人たちが悲しむようなことを絶対にしてはいけないと僕は考えます。
相手の身になって、もう一度考えてみてください。
ニューヨーク・ヤンキース松井秀喜(2006/11/07)

また、下記のような体の不自由な方からのメッセージにも心が揺さぶられました。
  記事は、1986年2月28日付毎日新聞朝刊に掲載された。
長崎県内に住む高校2年の少女(17)はカネミ油症新生児、いわゆる「黒い赤ちゃん」として生まれた。足のつめが黒く変形し、頭痛や腹痛に悩まされた。油症患者だと知られないように家に閉じこもり、検診にも行けない。少女は、次々自らの命を絶つ同世代を憂うとともに、複雑な気持ちを寄せた。
「自殺するくらいなら 健康な体 私にください」。
「世の中には、いじめよりも苦しい悩みに耐えて生きている人もいるのですよ。もう一度考えなおして下さい。もう少し勇気を出して下さい。それでもやっぱり死にたいと思うなら、そのあなたの健康な体を私のこの体と取り替えてから死んで下さい。私がたとえいじめにあったとしても健康な体であるならばきっと耐えられると思います。私は他に何もいりません。ただ健康な体が欲しい」

目を世界に転じれば、
イラクのこどもたちは、爆弾が怖くて外を歩けないような生活をしています。いじめどころではないのです。
北朝鮮は食べ物がありません。毎日のように、多くの子供たちが飢えて死んでいます。

平成18年11月27日(記)