妊婦さんにサプリメントは必要でしょうか?

最近はコンビニでも気軽にビタミン剤などのサプリメントが手に入るようになりました。国民の30%もが、何らかのサプリメントを常用しているという統計もあります。そこで、サプリメントとは何か、どういうように使えばよいのかということについて説明したいと思います。

食料品店や薬局、コンビニ等へ行くと、とても多くの栄養補助食品(サプリメント)が棚に並んでいますね。しかし、どれもがとてもよいかというとそんなことはないのです。ひとりひとりの体質に合っているか、本当に効能があるのかということが問題です。

米国の国立衛生研究所(NIH)は、サプリメントを選ぶときには、下記の注意を払うよう助言しています。

1 サプリメントを用いるときは常に主治医に相談すること。

2 健康状態の自己診断は決してしない。

3 「自然(ナチュラル)」というのは必ずしも「安全」を意味するわけではない。

4 サプリメントは、たとえそれが完全に安全なものであっても、治療効果や病気の予防効果はなく、食生活の基本的な栄養素の代替物でもない。

5 製品のラベルに書かれた虚偽の主張を見抜くこと。もし真実であるには話がうますぎるように思えたら、多分そうである。

つまり、「だまされてはいけませんよ。」と言っているのです。

サプリメントの問題点は、

1 有害かもしれない。 

2 安全でも効果がないかもしれない。 

3 内容に比し、高価すぎるかもしれない。ということです。

ぜひ、皆さん注意してください。

たとえば、ビタミン剤ですが、ビタミンA等は過剰摂取による有害性も指摘されていますし、ビタミンCはとりすぎても過剰分は吸収されないのであまり意味がありません。

唯一お勧めできるのは、葉酸です。妊娠初期の胎児形成期に特に神経系の発達に重要なビタミンです。若い女性は、野菜嫌いの方が多いため葉酸が不足気味になりやすいので注意が必要です。近年では、飲みやすい錠剤が発売されましたので、妊婦さんに唯一積極的にお勧めするサプリです。

平成19年5月5日 記