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ご法度にあらず!「妊婦にインフルエンザワクチン」
米国などでは接種を推奨、日本でも希望者に接種する例も
〜 日経メディカル5月号特集連動企画◆処方箋のご法度 Vol.2(2007年5月15日刊) より〜
 
 妊婦への薬剤投与には、細心の注意が必要であり、「ご法度」の薬剤も多い。しかし一方で、リスクが高いと考えられがちな薬剤であっても、実際には、胎児への影響が明らかでなく、メリットの方が大きい例もある。

 その一例が、インフルエンザワクチンの接種だ。日本では、妊婦に対する接種はほとんど実施されていないが、米国やカナダでは、妊婦への不活性化インフルエンザワクチンの接種は、むしろ「実施すべき」とされている。不活化ワクチンなら、接種によってインフルエンザに罹患する危険性はないし、妊婦や胎児に対してだけ、特別に重大な副反応の発生率が高まるとするデータも出ていないからだ。一方で、妊娠期間中にインフルエンザに罹患すると重症化しやすいことが知られており、しかも罹患後の妊婦に使える治療薬は限られている。リスクとメリットとを秤にかけると、妊娠期間中にインフルエンザシーズンを迎える場合には、妊娠の初期か後期かを問わず、インフルエンザワクチンを接種すべきだ、というのが米国などでは主流の考え方だ。

 日本でも妊婦へのインフルエンザワクチン接種を奨励する医療機関が出てきている。国立成育医療センターや聖路加国際病院(東京都中央区)では、妊婦の希望を聞いた上で、インフルエンザワクチンの接種を実施しているという。

風疹ワクチンの接種はご法度だが…
 「トラブルになりやすいのは、本人も妊娠に気付いていない時期に、ワクチンを接種をしたケース。妊婦本人から『胎児に悪影響があるのではないか』と相談を受けた際、確たる根拠もなしに、中絶を勧めるようなことは絶対に避けるべき」と聖路加国際病院女性総合診療部長の佐藤孝道氏はアドバイスする。そうしたケースで安易に中絶を勧めてしまうと、後になって、医師が告訴されるといった事態を招きかねない。

 この佐藤氏のアドバイスは、インフルエンザワクチンに限ったものではない。実は、妊婦への投与が禁忌とされている予防接種でさえ、妊婦への投与時の安全性(危険性)に関する見解が定まっていないものが多いのだ。

 例えば、風疹ワクチン。弱毒化生ワクチンなので、接種すると風疹にかかる可能性もある。妊婦が風疹にかかると、先天性風疹症候群の障害を持つ新生児が生まれるリスクがあるため、妊婦への接種は日米ともに原則「ご法度」となっている。しかし現実には、「風疹の生ワクチンの接種が原因で新生児に風疹症候群が起こったという事例は、これまでに1例も報告されていない」(国立成育医療センター妊娠と薬センターの渡邉央美氏)。


国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」のホームページ。服薬の影響を心配する妊婦の相談を主治医を通じて受け付けている。
 風疹ワクチンでは、妊娠中の風疹罹患を避けるために若い女性が自ら希望してワクチンを接種する場合が多いが、医師が「少なくとも3カ月以上は避妊するように」と説明しているにもかかわらず、避妊に失敗するなどして妊娠してしまう、といったトラブルも珍しくない。そうした場合でも、中絶等の判断は安易には行わず、まずは専門家に相談すべき、というわけだ。

 専門家への相談窓口は、国立成育医療センター、虎の門病院、聖路加国際病院などが開設している。ワクチンに限らず、妊婦への薬剤使用に関して少しでも不安があれば、躊躇なく利用するようにしたい。


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